みずいろツアーからその先へ


ツアーのこと、自分でも何かちゃんと書かなきゃと思いながら、
帰って来てもうすぐ2週間がたとうとしています。
時間が経つのは早いです。
2週間、なんだか毎日ツアーの余韻からさめることができず、
今に至ります。
ツアーに行く前と、行った後、とっても、自分が変わった気がしています。
音楽に対しても、それ以外にもたくさん。
言葉にするのは本当に大変。自分でもよくわかってないのだから。
だから、何を感じたかとか、
そういうことが上手く書けるかわからないけれど、
感謝の言葉だけは、ちゃんと書いておきたいとおもいます。
ものすごく、ものすごく、長くなりそうですが・・。


名古屋KDjaponでは、NARCOさん、二人がならす音とうたで、
ハポンがとっても不思議な空間にかわり、
ふわーっと夢のなかにいるようでした。
ゆるやかな二人の人柄のように、かわいくて優しい音楽、
だけど、いろんな音をつかって、たくさんの創意工夫をされていて、
ただ優しいだけではないのもわかる。鳴らす音一音一音が、
そのとき鳴っている曲にとてもぴたっとあって、
きいたことある音ときいたことない音たちが、
たくさんうたの中に溶け込んでいて、本当に素敵でした。


角田波健太さん、生活と、存在と、うしろにちらちら見えながら、
あそんでいるようなうた。男らしいな、とおもった。
やっぱりとても優しい。珈琲のうたが多くて、
つのださんも働いているご実家の喫茶店「ブラジル珈琲」に居るときの
安心する気持ちと、とてもやっぱり近い安心とあたたかさ。
生活のうたはやっぱりただ優しいだけではなく、
つのださんが見ている世界が少しみえたきがしました。


本村ナオミさん、途中からしか見れなくて、入って行ったら、
魔法使いかとおもった。エレキギターに貼ってあった、
キラキラ光る星のシールから本当にキラキラキラキラ、
星が流れ出していました。
そこから音が出てるかと思った。魔法のようなギターでした。
本当に素敵で、もっとずっと見ていたかったです。


KDハポンは二回目だったけど、本当にいいところで、
PAの方も、とても真摯で丁寧で、とっても演奏しやすかったです。
お客さんもとても優しくて、
終わったあと少しずつ色んな方とお話ができたこと、
本当に嬉しかったです。
名古屋にハポンがあって、本当に良かったな、
とても音楽に親密な空間だとおもいます。


京都のゆすらごは、本当に素敵な喫茶店で、たまらなかった。
店主の黒田さんと緑子さんも本当に素敵なかたち。
本当にすべての物が、とても大切に選ばれたもので、
京都町家の古い建物が持つ素晴らしさと相まって、
ゆったりと穏やかで、とってもきれいな空気が流れていました。
この日はたくさんの大事な友達が来てくれていて、
関西に自分がいつの間にかこんなに友人が居たことに驚いたし、
それは音楽をやっているからなんだと思いました。
場所の力と、見に来てくださっていたひとたちの力だとおもうのだけど、
珍しく最初から最後まで入り込めて、
心ともとてもちかいところでうたえて、るつこさんの曲も出来たし、
自分でも本当に満足出来るライヴが出来ました。
終わったあとも、お客さんたちがみんな幸せそうに各々過ごしていて、
場所の力を心から感じました。


3日目のベアーズ、頭士奈生樹さん、半野田拓さんとの競演。
半野田さん、リズム、半野田さんの中にあるリズムとひきつり、
それは、私の中にあるひきつりを、とても刺激してくれた。
自分だけのリズムですすんでいく演奏。
途中で半野田さんが笑っていて、なんだかすごかった。
半野田さんと、音楽の二人遊び。
私たちにはわからない会話のようだった。


頭士奈生樹さん、いつきいても時間がとまってしまう。
自分のライヴ前なのに、溶けてしまいそうになった。
消えるという感じ。とても深いとこに潜って、ずっと揺れていた。
思ったより早くライヴが終わってしまって、
現実に引き戻された感じでした。
自分のライヴもうしないで、このままずっと、
頭士さんの音を聴いていたいような気持ちになってしまいました。
本音。ずっと海のそこのような羊水のような場所で揺れていたかった。


だけど自分のライブ、この日は自分にとってものすごく鬼門というか、
凄い夜でした。今おもっても、よくわからない、
心もうまくいかなかったり、体調も悪く、
るつこさんに対しても、お客さんに対しても、
自分自身が突然心をひらけなくなってしまったような、
三日目にして、いきなり一人になってしまったような始まりでした、
なんでかはよくわからない。だけど今までも、よくありました、
自分でもステージにたつまでわからない。
第一声を発してみるまでいつもどうなるかわからなくて、
その第一声はうまくいかないことのほうが多いのだけど、
そんなときに、持ち直せるか、そのまま慌ててしまうか、
心とうたが遠く離れてしまったまま、音楽だけがどんどんすすんでいく、
迷路のなかに入ってしまったみたいな感じ。辛かった。
そんな中で、一瞬心がうたにちゃんと触れられたり、また離れたり。
そのことに惑わされて、途中で、
るつこさんの音をちゃんときけていなかったことにはっと気づいて。
なんとか心を落ち着けてるつこさんの音に集中しようとしていたそのとき、
半野田さんが突然ふらふらとステージに・・・。
今思ってもあの瞬間の自分の真っ白さとるつこさんの戸惑った顔と、
客席とのシュールな空気を想いだすと、
吹き出しそうになるし、ものすごい。
凄いことだったな、と思います。半野田さん、面白い人だなぁと思う、
もしかしたら音楽を聴きたい人にとっては、
そのままるつこさんと二人で演奏した方が良かったのかもしれません、
でも、私自身は、あのとき、自分の曲より、
今、この場で、今日、何が起こるか、のほうが、
大切なような気がして、かけがえなくて。
出来るだけ半野田さんにもるつこさんにも誠実に向き合いたくて、
色々とっさの判断で、最後の二曲を変更し、
ひとつのライヴとしては、
最初に予定していた着地点には全く到着しなかった。
アンコールをいただいて、
半野田さんと再度二人で演奏、頭士さんとの演奏、最後の四人での演奏。
もうわけがわからなかったけど、
全力で演奏するしかなかった、うたも演奏も、ただ力いっぱい。
それは音楽としてはものすごく洗練されない物だったかもしれない。
お客さんのことも置いて行ってしまっていたかもしれない。
でも、るつこさん、頭士さん、半野田さん、みんな、
全力で向かってくれたと思います、正直あのとき何が起きてたか、
自分でもほとんど覚えていないのです。
見ていた方達も、随分疲れたと思います。私も本当に疲れました。
疲れるということは、良かったかどうかといったらわかりません。
本当は疲れがとれるような爽やかなライヴがしたい。
でも、こんな日もあって、良かったとおもう。
最後まで見てくださって本当にありがとうございました。
このライヴの後、何日も、
ステージの上に魂を置き忘れて来たみたいに、放心状態でした。


やんてらさん。凄い人なんだな、って今回旅をして本当に思いました。
どうして私たちのライヴの為にこんなことまでできるんだろう、
不思議でした。
でもきっと私たちのためだけにやってくれているわけではなく、
(もちろんその想いももあるとおもうので大感謝ではあるのだけれど、)
やんてらさんがやりたいとおもってやってくれているということ、
そのことをひしひしと感じました。
もはや、るつこさんとデュオというよりは、
やんてらさんと3人でバンドという感じでした。
ステージにはいなかったけれど、本当に一緒に演奏しているようでした。
ずっこけ3人組というか、4日も旅をすると、
なんだかボケ、ツッコミ、まとめ役?みたいな、
役割分担みたいなのが出来て来て、
会話が弾みすぎて車中では起きているときは笑ってばっかりでした。
面白かったなぁ。4日間安全運転で、
やんてらさんの懐の深さ、やっと気づきました(笑)凄い人です。


るつこさんとは、
前よりもっともっと音も心も深く近づけた気がしています。
るつこさんを知らない人が、私と演奏しているのを見て、
るつこさんの素晴らしさを知るようなライヴができたら、
と、ツアー前からおもっていました。るつこさんは、
壊れる瞬間があって、爆発するような演奏をするときがあって、
私がるつこさんの演奏を見にいく時、
やっぱりるつこさんのそういう演奏を1番見たいと思っていて、
見れたときは息をのむようになります。
でもそれは、いつもではないから、おそらく故意にでは出てこなくて、
演奏の中で音楽と共鳴したときだけるつこさんの中から出てくる、
マグマみたいなものなのだとおもう。
だからそういったるつこさんの、
爆発力を引き出すのは自分にかかっている気がしていて、
3日間、とにかく信頼して、
全力でるつこさんに自分をぶつけていく気で演奏しました。
それに対して、るつこさんはやっぱり全力でかえしてきてくれて、
演奏しながら、そのことを感じて、本当に嬉しかったです。
私のライヴを見に来てくれたるつこさんを初めて見た知人やお客様が、
みんなるつこさんを凄い!と言っていました。私はとっても嬉しかった。
歪んだエレキギターの音の洪水の中で、皆の音と調和し共鳴し、
そしてあれだけの演奏ができるアコーディニストが他にいるでしょうか。
一緒に演奏をしていて、私も、るつこさん凄い、と思いました。
るつこさんと出逢って3年、やっと、ここまで来れた、という感じが、
今、しています。心の面でも、本当に信頼出来る人。
こんな素晴らしいミュージシャンと一緒に演奏を出来たこと、
これからも出来ることが、本当に嬉しい。


そしてFMNの石橋さんは名古屋も泊まりで来てくださり、
3日間、すべてライヴをみてくださっていました。
石橋さんに見て頂くのは嬉しくて、そして緊張もします。
私は自分が、石橋さんがいままでサポートされて来た、
優れたミュージシャンたちとはおそらく違うんじゃないか、
なんとゆうか、子供でごめんなさい、
とどこかで引け目を感じる自分もいて、
私が子供であるゆえに、安心してライヴを見させられないというか、
石橋さんをどうしても、
父親のようにさせてしまっているかもしれないのだけど、
今の自分をただ見ていただけたこと、
東京に帰ってからとっても優しいメールで、
色々アドバイスなどくださいました。
すごくありがたかったです。


ライヴの3日目、私はものすごく壁にぶつかったというか、
色々と想い通りにはいかなかった、3日間見ていた、
石橋さんもやんてらさんもるつこさんもわかっていたとおもう。
それでも頭士さんや半野田さんのおかげで、
ライヴはとても意味あるものになったとおもいます。
ただ自分自身色々悔しい面もあり、帰りの車で、
みんなの前でぐだぐだ弱音を吐いてしまいました。
石橋さんが、「いい瞬間あったよ」と色々フォローしてくださり、
落ち着いて来て、すぐに後悔。宿泊の石橋さん宅についてから、
石橋さんが寝たあと、るつこさんとやんてらさんに謝った。
「弱音吐いてごめんなさい、もっと強くならなきゃね・・」と言った私に、
二人は「弱音どんどん吐いてください、全然いいじゃん、
別に強くなんてなんなくていいんですよ」みたいなこと言ってくれて、
目から鱗が落ちるようでした。なんだかものすごくものすごくほっとして、
この人たちと一緒にこのツアーが出来てよかったな、って
そのとき心から思いました。
愛を感じたと言葉にすると物凄く大袈裟だけど、本当に感じた。
本当に感謝してもしきれません。


自分は弱くて心が本当に地に足がつかないというか、
弱点もものすごく多い人間であること、
その中でいつもブレブレの中でいい演奏を探して、
見つからないこともあるし、毎回どうなるか全然わからない。
まだまだなんとゆうか、自分でも見てくれている人にも、
期待どおりにはいかないことも多いとおもう。
だけどそんな自分を本当に理解してくれての演奏であったり、
ツアーの企画であったり、アルバムのリリースであったり、
見てくださっているお客さんも然り、
本当に、周りの人が懐の深さによって自分が存在していられるのを、
今、強く感じています。


それでも、3日間たくさんのお客様が来てくださいました。
帰って来てからたくさんのメッセージをいただいて、
ライヴで感じたことなど伝えてくださった方もいました。
ひとりの友達が、京都のライヴをみたあと、
心がかわった、あの日から生まれ変わった、と、言ってくれました。
本当にそれだけでいい。あとはなんにもいらない。とおもいます。
たったひとりでもなんか音楽との間で、
私にもわからない何かが起こってくれたなら。
遠くまでなにかを結びにいけたきがします。私も、結ばれた。


帰って来て、もう2週間。やっと書けました、これで前に進めます、
夜が明けて今日5月3日は
吉祥寺GOKsoundにてるつこさんとのライヴです、
大阪のライヴでるつこさんの音に自分が近づけなかった後悔を、
明日はもう一度大切に、演奏できたらと思っています。
1番目、15時スタートです。


そして5月4日明日は、新宿ゴールデン街裏窓でのワンマンライヴ。
ひさしぶりのソロ。るつこさんのいない演奏、ひとりでやること、
今の自分はどんなうたうたうのか確かめるように。
昨年も同じく5月5日にライヴしましたが、
今年もまた演奏させてもらえること、嬉しいです。
裏窓でずっとうたい続けられるといいな、と思います。
10人限定のライヴです。


このツア−で出逢った人皆に本当に心からの感謝を。
いただいたたくさんのものを、両手に持って、
その先へ、進んで行きたいと思います。
本当にありがとうございました。


そしてものすごく長い文章、読んで頂いてありがとうございました。
おやすみなさい。