三村さん


関西から帰って、思う存分ぼーっとしながら、
毎日関西のことを思い出したりしながら少しずつ少しずつ
毎日をすごしているのだけど、
日々は毎日過ぎてゆき、いろんなことが起こります。


一昨日11月2日は、
歌手の三村京子さんのライヴを、下北沢LOFTに見に行きました。


素晴らしいライヴ、本当に良いライヴでした。
ほんとうにこんな言葉にしかなかなかできないのがはがゆいのだけど
本当に、いい歌でした。


三村さんは、このライヴを区切りに、うたをお休みされるとのこと。
髪をばっさりショートカットに切っていて、
とってもすっきりしたいい顔をしていました。


歌も、ほんとうに、まっさらというか、
すべての不安や自意識や、「こうでなければいけない」みたいなものを
全部こそげとって、ほんとうにうたをうたうだけ、きかせるだけ。
うたに、すべての感情がこもっていました。
清々しくて、はかなくて、あたたかくって、強くて、やさしかった。


わたしが今まで見た三村さんのライヴの中で、一番いいライヴでした。
三村さんはずっと、歌手になろう、歌手であろう、
と無理していたんじゃないか、って、おもう。(勝手な推測でごめんなさい)
だけどそんなものにならなくても、三村さんは、最上級の歌手なのです。
だから、きっとそういうものぜんぶふっきれて、
なにものでもなくていいと裸であったあの夜の三村さんは、
三村さんが三村さんだけであって、
とってもとっても女性的で、美しかった。


ほんとうに、いいうたをうたうひとだな、って、こころからおもって
ずいぶん大人に見えて、まぶしかった。


やすんでしまうことを、心からもったいなく思うけれど、
彼女が、このまま続けたら、ほんとうに見失う、と、
本当の自分の気持ちをとったこと、
それは、彼女が、本当の歌手だからなんだと思いました。
自分の歌が、ちゃんと歌えるようになるための、お休みなのだと思いました。
きっと、次に彼女のうたを聴けるとき、
彼女はもう迷わないのだろう。
一昨日聴いた彼女の歌は、すでにもう新しい彼女のはじまりのようだった。
彼女はどこも探さなくても、もう自分の歌をあの体の中に持っているんだ。


三村さんの次のアルバムがほんとうに楽しみです。


見に行って本当によかったです。


そう、この日、三村さんがわたしの曲、「緑」をカバーしてくれたのですが、
まったく違う曲で、完全に三村さんの曲で、すごくすごく感激でした。
本当に嬉しかったです。三村さん、ありがとう。


三村さんのうたう姿と、終わったあとの素敵な笑顔を、
目に焼き付けて帰りました。
本当に尊敬しています。本当にいい夜でした。