第28夜 関口萌(Paradise)

はじめ作バッチ

*第28夜 関口萌(Paradise)
『はじめてのせきぐちはじめワンマン五月場所〜クンタキンテのように〜』
5/10(火)19時開場・19時半開演
入場料無料+ドリンク代


*関口萌プロフィール
1984年2月17日生まれ。27才。
現代におけるTHE WHOを標榜にしているバンド、
Paradiseというバンドでうたとドラムを担当している。
弾き語りは個人的な欲望、何か物語を歌いたいと思いやっています。


*宣言文

せきぐち萌(はじめと読みます)。
穂高さんとは一時期バンドを一緒にやりました、
なんで彼女がぼくたちとバンドをやってくれたのかは未だにわかりませんが、
バンドを一緒にやるというのは兄弟姉妹のような関係に近いのかもと思っていて、
不思議なものです。
そんなことが関係しているのかしていないのかはわからないけれど、
ホタピーのうたを聞くときは何故かお姉ちゃんのライブを見るような
(自分には姉はいませんが)緊張感がいつもあります。
今回は誘ってもらえたことをほんとうに嬉しく思います。
自分からは言い出せない企画だし、時間というのはとにかく流れます。
3月12日に代々木公園に一人で行って歌ったけれど、
やはりその気持ちと5月10日に歌う気持ちとは温度差があります。
どういう気持ちで望むかといえば単純明快楽しむだけアッチョンブリケとそれだけですが、
はじめて自分一人で作り出す場所をやりきりたいと思います。




              ***



穂高より紹介
はじめくん、わたしおねえちゃんじゃないよ笑
Paradise、なんでやったんだろうね笑
速いロックやってなにもかも忘れたかったんだよ。
でも、たまたまだったようで、運命だったんですね、みんなと会ったのは。
ほんとに楽しかった。


はじめくん。はじめくんは不思議な人です。
まずわたしとはじめくんはほとんどなんの接点もない。
だけどはじめくんと、距離もまったくない。
はじめくんのはなしをひとから聴くと、
はじめくんってばか(単細胞)だなあーとよく想う。
いい意味で。


だけどはじめくんは天才なんです。
バンドをやっていたとき、はじめくんが考えてくるベースのフレーズは、
信じられないほど考え抜かれていました。
だけど、あれは果たして「考えて」つくられているのだろうか。
多分はじめくんは、全部「思いつき」で作っているんじゃないかと思います。
「電波系」って言葉、よく意味わからないけど、はじめくんに合う言葉だなぁ
宇宙人みたいだもの。はじめくんは。


このイベントのタイトルもらって、はじめくんに「クンタキンテ」ってなに?
って聞きました。
そしたら、「昔映画で見た黒人奴隷の名前なんだけど、すっげーひどいめにあわされてるんだけどがんばって生きてるって話をおもいだしたんだ!」
と入ってきて、爆笑してしまいました。


そう、Paradiseってほんとうに変なバンドで、
はじめくんはきっと自分とクンタキンテが重なったんだね(笑)。
paradiseの音楽ははじめくんが大部分を担っているに関わらず、
なぜかはじめくんは、形見の狭い思いでそこにいるように見える。
みんな愛してるんだよ、はじめくんのことは。


paradiseの人たちは考え方や趣味、嗜好がみんなばらばらで、
いっつももめたりトラブルばっかりでほんとうに大変そうだけど、
そして先入観ではボーカルがそういうのを起こして、
まわりがみんな大変というわかりやすいイメージがあるけど、
実はみんなひとりひとりが子供のように問題ありで、
こうた(ボーカル)は案外優しく頼れる奴で、
みんなの精神的支柱でもあるのです。


そして、Paradiseの一番面白いところは、ボーカルの世界観と、
はじめくんの世界観とが、180度ずれているところで。
わたしがバンドに入った時、ちらしが二種類あって、
ひとつは耽美的でシンプルなデザインのミステリアスなちらし。
もうひとつは、ひらがなで「ぱらだいす」と書いてあって、
ポップで間抜けなイラストがたくさん書いてあるえらくキャッチーなもの。
わたしはその二つを手にして、困惑して、
「イメージを統一したほうがいいよ、わけがわかんないよ」とか言って、
入ってすぐみんなに駄目だしした覚えがあります。
でも、今思うと、それがParadiseの面白いところで、
いまだにそのイメージのばらつきの名残はある。
(とりあえずアルバムのジャケットイメージはこうたの世界観で統一されたようだけど。)


なのではじめくんの音楽は、バンドでやることで、科学反応を起こす。
はじめくんがつくる若者らしいポップで明るくて突き抜けたメロディーに、
こうたが突然、中世の「死者に対する弔い」の詩をのせたりするから、
もうほんとにわけわかんなくなって、
そこにヒヤムギさんが、彼の青春のすべてを懸けて、
世界のすべてを引き裂くようなディストーションのかかったギターをのせ、
末っ子なのに包容力のかたまり、みたいな石川君のベースでなんとか収束する。


Paradiseってほんとにわけわかんないバンドだなっていつも思う。
でも、音楽はやっぱり凄いよ。たまに凄い瞬間あるよ。
バラバラの光がひとつの光に重なった時の光の凄まじさは、やっぱり、
ほんとうに眩しくて直視できないくらい強いよ。


ひとりひとりは、弱いんだけどね。
(ごめんなさい笑、よく知ってるから言えることです。そしてわたしもそうだから。)
四人が集まると、×4じゃなくて、×∞になるんだね。
どうしても個人主義に生きてしまう自分は、
彼らの仲の良さがうらやましいと、いつもおもう。


そしてはじめ君の弾き語りは、その化学反応がない分、
ポップで明るく突き抜けたキャッチーなものにもなり、
はじめくんの弱さや情けなさも、むきだしで現れて、
バンドの音楽とは全く別ものだけど、
その分シンプルにはじめくんのつくる曲の良さがはっきり前に出てきて、
ああやっぱりはじめくんのつくるメロディーってほんとにとてもいいんだなあ、
このひとは真のメロディメーカーなんだなぁっていつも実感する。
そしてうたも、ほんとうにいい声なんだなあ、といつも改めて思う。


はじめくんのソロをちゃんと聴いたのは随分前だから、
その頃はまだ弾き語りに対して中途半端感があったけど、
あれから随分経って、すごく良くなったって声を沢山聞く。
はじめくんも、今夜の初めてのワンマン、凄く張り切っていると聞いた。
だから今夜、本当に楽しみです。
今夜はじっくりたくさんはじめくんの音楽と向き合い、
はじめくんのことをもっと深く理解したいと思います。
姉として。(笑)


はじめ君ファンもファンじゃない人も、
クンタキンテのようにがんばって生きようとしているはじめくんの五月場所(笑)を是非応援しにきてください。
メンバーも来てあげてね、ヒヤムギさん。

更新するのが遅くなってごめんなさいね。