第23夜 大野まどかさん

第23夜 大野まどか
『講演と音楽』
5/4(水)19時開場 19時半開演
入場料無料+ドリンク代


◇大野まどかさんプロフィール

1982年4月13日生まれ。A型。普段はだいたいピアノ弾き語り。

http://www.myspace.com/oonomadoka


◇大野まどかさんよりメッセージ

思いつかないので、一句。

「五月雨や 大野まどかを 観に来てね」

すみません、もう少し書きます。


例えば、以前ある映画で観た場面。
蓄音機もコンサートホールもまだなかった頃、
親戚の集まりのある時、
その中で声のよい叔父さんが歌をうたう時間があった。
大人も子供たちも、その時間をいつも楽しみにしていた。


バロックの時代にも、「家庭音楽」というのがあって、
家族それぞれが弾ける楽器を持ち寄って、
例えばバッハの鍵盤楽器用の楽譜でも、
鍵盤楽器以外のリュートヴィオラ・ダ・ガンバ
当時のハープなどで好きにアレンジしながら弾いていた。
毎日の食事や会話と同じように、一日の中にそんな時間があった。


賛美歌や歌遊び、舟歌などの労働歌、この世界中の祝祭や祈り、
ただ生活の中で「私」や「誰か」や「神様」のために、歌って過ごすということ。


今回の穂高さんの企画で、
入場料を無料に設定できると聞いて、すごく気持ちが楽になりました。
そして、持ち時間が自由なことも、うれしく思います。
会場の高円寺書林は、本当に穂高さんの部屋にいるみたいな雰囲気の場所です。
普段のライブで、お金のことなど、
音楽以外のことがずーっと重くつきまとっていたことに、改めて気付きました。


穂高さん企画に、私も何度か足を運んでいますが、
演奏者にとってもお客さんにとっても、会話や散歩やお夕飯や遠出とか、
そんな生きていく上で、ささやかだけど大切なことのように、
ただ純粋に音楽を楽しめる場になっていることに、何より驚きます。
最初のきっかけであるチャリティのことも素晴らしいですが、
個人的にはそのことが何より魅力に思っています。
私もただ今、音楽を、誰かが上げる声を、聴きたかったのだなと思いました。
危ない危ない、もう少しで忘れるところだったよ。
穂高さん、ありがとう。


明日は私が演奏者なので、私は気合い入れて頑張りますが、
どうぞ来てくださる方は、ご気楽にお越し、お楽しみ下さい。



             ***





穂高より紹介
大野まどかさん。
大野さんもこれまた不思議な方です。
先日、彼女は前髪を2センチくらいに短く切っていて、後ろで髪を束ねていて、
大きな眼をくりくりさせて、わたしのライブを見ていてくれた。
ステージ上から、やけに大野さんの顔が目に付き、
うたいながら、小学生の男の子みたいだな、って思いました。


そのまえのまえにも、新宿ゴールデン街でわたしがライブをしたときは、
ものすごく目の前に、大野さんはすわって、
認識していたのに、なぜかライブ中、
この綺麗なOLっぽいおねえさんは誰だろう?あ、大野さんか!と、
うたいながらおもったのでした。


大野さんと、知り合って2年くらい、
なんども共演したり、企画に呼んでいただいたり、
それからなんども、お茶したりしたのに、
大野さんがどんな人なのか、いまだよくわからない。

話すときは、ほんとうにさばさばしていて、
大きな眼をまっすぐ開いて
自分の考えや想いをはっきりと話される方です。


だけどもステージでは、とっても「濡れている」ように思う。
どしゃぶりの雨にうたれながら歌っているようなイメージがある。
大野さんの後ろで、雷鳴も鳴り轟いている。
それは大野さんの怒りにも叫びにも想える。
雨は強く激しくなったり、弱くしとしとと美しく降ったりする。
限りなく青空からは遠いような気がする。
とても美しい、震えて伸びる歌声。
まるでその姿は巫女さんのようで。


だけど大野さんはやっぱり会うとからっとしていて、
八月の青空が似合いそうな女性なのです。


不思議な方です。


今回のライブタイトルをもらったときは、少し面食らいました。
こんな夜はなかなかないよ。
明日、楽しみです。
皆さん、待っています。