アルバムのこと。

「春の雪」という曲をつくってから二年が経ちました。
ちょうど二年前の今頃のある夜、
この曲を、舞い散る桜の樹の下でつくったあと、
路得子さんと出逢って、初めて一緒に演奏をし、
吉田君との演奏をお休みすることになって、
服部さんと吉田君での三人で最後のライヴをしました。


最後に「春の雪」を四人で一緒に演奏したときに、
「ひかるゆめ」で、もう全て出し切ったと思っていて、
長い間、音楽も気持ちも、抜け殻状態だった私に、
そのときふと見えた未来のビジョン。
もしかしたら次のアルバムをつくれるかもしれない、
という気持ちが初めて起こったこと。


その時はいったいいつになるか全然わからなくて、
まだまだずっと先だと思っていたけれど、
本当にたくさんの色んな事があって、
おもった以上にこの二年で曲はたくさん出来て、
昨年の夏の終わり、石橋さんに手紙で、
次のアルバムをつくりたい、ということを申し出て、
あっという間に動き出した録音のこと。


秋、冬、と二つの季節を越えて、春になり、
気づけばもうほとんど完成の目前まできています。


吉田くん、服部さんとまた一緒に演奏し、
路得子さんと初めてのアルバムを録音出来た。
そして関島さんとも出逢えました。
五人で、とてもとても良い録音が出来ました。


今はずっとアルバムの事ばかり毎日考えています。
今夜は、真夜中、曲順をずっと考えていました。


先日ここにレコーディングのことを書いたあと、
具体的な事を報告出来ずにいましたが、
11月末と、1月の録音、
何度も何度も聴いて行く上で、迷いが晴れ、
この録音で完成とする事に、自分が納得出来たので、
録り直しはせず、仕上げのミックス作業に進みました。


ミックスは、二回、GOKsoundにて、近藤さんに。
二回とも京都から石橋さんが来てくださり、
三人でとても良い雰囲気で進めて行く事が出来、
一曲一曲を、とても大切に仕上げてもらう事が出来ました。


そしてそのとき、石橋さんとも、ゆっくり、
曲の事、アルバムの事、いろんな話が出来ました。
その中で、アルバムを二枚組にする案がでました。


最初は、二枚組という形状にとても抵抗があって、
できれば曲をカットしても一枚にしたい、と言っていたのだけど、
嬉しい事に、どうしても、カットできる曲がなくて、
そして、80分近い曲たちを、一枚で聴くのは、
自分すら集中して聴き続けるのは無理で、
どうしようか、と話すうちに見えてきたのが、
やっぱり、二枚にしよう、という事でした。


二枚組にすることで、例えば3000円とか、
価格が高くなると、購入する方にも負担が大きいのではないか、
初めて聴く人には特にハードルが高すぎるのではないか、
などたくさん心配、懸念はありました、
でも、石橋さんが、出来るだけ、
価格は経費との兼ね合いの中で、限界まで抑えつつ、
ジャケットなども前回と変わらないクオリティの物にしよう
と言ってくださいました。


そういった本当に有難い後押しをくださったこともあって、
今は二枚組にする方向で、毎日曲順を考えています。
やはり、二枚組にするように過程して自分で聴くと、
この長い曲たちがより聴きやすくなる気がしています。
石橋さんの心遣いに本当に感謝です。


とにかく、聴く人に、
この曲たちをすうっと、水を飲むように
聴いてもらえたら。
その為に、一番どの順番が、
自然に流れてゆくか。
浮かんだり沈んだり、
止まったり進んだり、
旅のように。


そんなことをおもいながら、
繰り返し、繰り返し、
何度も曲を並べかえては、聴き返す日々です。


そう、今回のアルバムのテーマは、
「水」なのかもしれません。
もうタイトルは録る前からずっと決まっているのだけど、
発表は、もう少し待ってくださいね、
ジャケットができてからのお楽しみとさせてください。


ジャケットは、前作と同じ大間香織さん。
この二年の間に、結婚して、
大峯さんから大間さんになり、
昨年10月の末に、お母さんになりました。


今はまだ授乳が大変な時期で、
絵を描くのもなかなか大変な状況です。
でもどうしても香織さんの絵がよくて、
待てるだけ待ちたい、とおもっています。
石橋さん、yamasingさんも同意見で、
ぎりぎりまで待ってくれています。
そういった理由で、発売時期がまだ未定です。


まだまだ出来上がりまでは、
ひとつの季節をまたぐくらいはかかりそうですが、
今年中には出せるとおもいます、
どうか、待っていてください。


ゆっくりで、いいのです。
ずっと、ずっと、なにかときどき想いだして
聴いてもらえるような、そんな
だれかにとっての、
すこしでも大切にしてもらえる一枚になるように、
わたしたちも大切につくります。


わたしたち、といえること。
ライヴはいつもひとりだけど、
アルバム作りはみんなでで、
その事が本当に嬉しいです。
でも、ほんとうに、アルバムを制作するのは、
バンドを組んでいるみたいです。


この幸せな期間を、当たり前とおもわずに、
噛み締めてすごしていこうとおもいます。


どうぞ、応援していてくだされば嬉しいです。
良いものをお届け出来ますように、がんばります。
どうか、待っていてください。


さて、明日(今日)も仕事なので今夜はこのくらいで寝ます。
みなさま明日も良い一日を。


桜とも、もうすぐ、お別れですね。
今年も本当にありがとう。
また来年、逢えるのを楽しみにしています。
おやすみなさい。