オレンジの秘密

みかん、ぽんかん、いよかん、たんかん、ぶんたん、きんかん、
はっさく、なつみかん、でこぽん、だいだい、かぼす、すだち、ゆず、
シークワァーサー、ライム、レモン、スィーティー
オレンジ、ネーブル、グレープフルーツ。
柑橘系。


ことばはすごいなー、


ひとつのことばにこめられているじょうほうりょう、
香り、味、色、かたち、てざわり、、、ほかにもいっぱい。


そしてことばとこえがあわさる。
こえのなかにこめられているじょうほうりょう、
そのひと、こころ、くうかん、くうき、せかい、、。


ことばがせかいをつくってるって
きいたことがある
わたしたちはじぶんがどんなふうにかんじているか
ことばできめることができるんじゃないかな


雪舟さんの朗読を聴くときいつも、
そんなことをはっきりかんじる。


昨日は、八丁堀七針、『オレンジの秘密2』
雪舟えまさん、東直子さん、田中庸介さんのイベントを見てきました。


即興のお話、
ことばできめてゆくめのまえにあらわれるものが
するするするするとすすんでゆくのでおどろく。
めのまえで、熊や、おおおとこや、おんなのひとが、
あるいたりしゃべったりしている。
ものがたりのじかんといっしょにわたしたちのじかんもすすんでいく。
ばめんがぱっとかわるとわたしたちのめのまえのふうけいも、
どうじにぱっとかわっていく。


にんげんにはことばがあたえられてしまったから
そうぞうりょくもどうじにあたえられたのかなぁ


いろ、かたち、におい、おと、すがた、くうき、くうかん、じかん
ものがたりのなかだけじゃなくて、ほんとのせかいも、
のびたりちぢんだりほんとはしてるのかもしれない


「こころをこめる」ってことばは、そのままだな。
こえに『こころをこめる』こと、
うたに『こころをこめる』こと、
ことばに『こころをこめる』こと、
プレゼントに『こころをこめる』こと、


だれかのことを想ってプレゼントをつくるとき
袋のなかにこころをぱんぱんに詰め『こめて』しっかりとリボンをする
あけたときにぜんぶぶわっとあふれだすようになったらいいな


そんなふうに芸術家は作品にこころをこめる


物語や詩や絵や写真や音楽や映画や
ほかにもひとがつくったものいろいろ
なんねんもたってもそのなかにこころが存在している不思議。


そのばでこころをほうりなげるかんじもいいな、
きえてしまう時間にたくして。


この世界の秘密を、にんげんは、
ことばであばいてきたんだろうね、
だけどまだまだあばかれていないひみつもたくさんあるんだろうな、
まだまだことばにできていないひみつもたくさんあるんだろうな。


雪舟さん、東さん、
やっぱりふたりは言葉で自由自在にせかいをつくって
ひみつをあばこうとしている魔女でした。
そして魔女のあいだにはさまれてちゃんと人間の田中さんの
微妙な距離感が男の人らしくて面白かったなあ。


言葉にじっくりと耳をすませた夜でした。

かぼす。大分より。