穂、の夜


春の嵐の中
今日は今からライヴに行ってきます
穂、の夜


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4月3日  at目黒APIA40
開演19:20 前/当 \2000/\2300+drink
『花実の穂音〜たわわなれ音の穂〜』
小野一穂(vo,g)、柴田奈穂(vln)、穂高亜希子(vo,g,p)


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穂高岳山荘の前で道は分かれている。
涸沢へと下る歩き慣れた道。北穂高岳に伸びる不確かな道。
立ち止まり、胸に湧きあがる感情に耳を澄ませる。
踏み出すべきはどちらの道なのだろう。
息を落ち着かせ、時間をかけて声を聞く。


繰り返し響いてくるのは恐怖という叫びだ。
恐怖は目の前に現れた何かによってもたらされるわけではない。
それは常に、自分の心に潜む過去の傷から生まれる幻。
そしてその幻は、多くの場合、
容易に振り払うことのできない密度を持っている。


あのときの自分を繰り返すようで恐い。
新しい失敗を重ねるのが恐い。
独りになるのが恐い。恐い、恐い、恐い。
しかし、恐怖とはあくまでも幻でしかない。
その事実を忘れないように気をつけながら、
彼らの声を抱きしめたまま足を前に出す。
ゆっくりと、着実に、未知で満たされたルートへと踏み込んでいく。』


                 ある見知らぬ登山家の方の日記より