大阪、徳島のこと。

突然寒くなりましたね、
なんだか冬ですね、びっくり。

早川義夫さん、熊坂路得子さん、わたし
行きの新幹線で早川さんに撮っていただいた写真)



先日は大阪、徳島、ライヴ、
本当に、本当に、素晴らしい旅になりました。
長旅のあとは、いつも
いろんなことを感じすぎて、ぼーっとしてしまいます。
そうこうしているうちに、すっかり10日くらいたちました。


どのライヴも、旅中も、本当に濃密な、楽しい2日間でした。


早川義夫さんとはほぼ初めてお逢いするのに関わらず、
(一度挨拶はしていましたが)
最初からものすごく気さくにたくさんの楽しいお話をしてくださり、
笑って笑ってたっくさんのエネルギーをいただきました。


そして、早川さんの歌を二日にわたって聴けたことは、
じぶんにとって色んな感動や発見がありました。


早川さんの歌や歌詞や込めるものを、自分の中に消化することは、
歌っていったいどういうものなんだろう、
それに、生きてくって、愛って、恋って、性って、男と女って・・・・?
っていうようなたくさんの根源的なことを
考えるようなことでもあったし、
自分のうたのこととも照らし合わせていろんなことを想いました。
まだ言葉にできるほど消化出来ていないのですが。


とにかく早川さんが普段日常会話で話していることと、
早川さんが歌で突き付けてくるものはおんなじで、
優しいだけじゃないなにか直視するには濃すぎるようなもの
それをあんな風に体中で歌っていらっしゃるところを見るのは、
本当に凄いことでした。


帰ってから早川さんのブログを読ませていただいたのですが、
早川さんは、日々色んなことを感じていらっしゃって、
その感じたことに対して正直に生きてらっしゃって。
それが言葉になって、音楽になって、歌になって・・・。
今、っていうものが限りあるものだと、
よく、知ってらっしゃるんじゃないかな、って
勝手に想いました。


惜しみなく、子供のように素直で、でも、
たくさんのことを見てきた眼は鋭くて優しくて。
私の邪念なんて、全部見透かされていたことでしょう。


とにかく凄い人だなぁ、芸術家だなぁって、
旅の間中、そのパワーやエネルギー、明るさに圧倒され続けました。
若さなんかには勝てない、
本当のエネルギーが満ち満ちていると想いました。


年をとっていくことは、どういうことなのだろう、と最近考えます。
今、が重なっていって、ただとしをとるのだけど、
みんな、今にしか生きられないのだけど、
過去、が増えていくということは、どういうことなんだろう。
あきらめてゆくことも出来れば、
もっともっとなにかに近づいていくことも出来る
たくさん選ぶことも出来るし、なんにも選べなくもある。
上手く言えないけれど、
今、を歌い続けることと、過去と未来を背負っていくことを、
旅から帰って、早川さんのうたを想いながら、たくさん考えています。


なにかの自分の中の謎がとけるまで、
早川さんの歌はもっともっと、聴きたい。


そして同じく早川さんのライヴで演奏する、
熊坂路得子さんの演奏を、二日連続で見ることができて、
また、早川さんに寄り添いながら物凄い音を奏でる路得子さんに、
ただただ圧倒され、本当に魅了されました。


路得子さんは、普段は本当に穏やかで、優しい、静かな方。
でも演奏すると、蛇口から大量の水が溢れ出すように、
物凄く激しくて、みずみずしい情熱的な音を体中で奏でられる。


いったいどこに普段、あのような熱をしまっていらっしゃるのか。


早川さんの歌に、路得子さんの音はうねって、ひっついて、
早川さんの歌にどんどんからまってゆく。
でも全く邪魔しない。
純粋な音と、音だけの、儀式のような、
そんな二人のライヴ。
凄かった。


大阪ライヴの夜、ホテルの部屋で路得子さんと二人部屋で、
寝なきゃいけないのに、明け方まで話し込んでしまった。
いくらでも話が出てきて止まらなかった。
「音楽」と、「痛み」の話。
路得子さんに、路得子さんの演奏に、とてもとても惹かれるのは、
そんな話がほんとにちゃんと出来る人だからなんだろう。
路得子さんが話す「痛み」と、
私が知っている「痛み」という言葉の意味が、
ちゃんと通じていて、安心した。
きっと同じ痛みなんかじゃないけど、
あの感覚を知っているんだということが、
二人を近づけてくれている気がした。


といっても、私はこの旅で痛感しました、
路得子さんは、本当にただ音楽を演奏する。
その気持ちの純粋さは、見ていて苦しくなるほどわかる。
私は、路得子さんを前にして、
自分は演奏しながらも自我や欲や、いろんな邪念の感情に
どれだけまみれているだろうと想いました。
自分の、音楽への対峙の仕方が、恥ずかしくなりました。
こんな気持ちにさせてくれる路得子さんに出逢えたことは、
本当に私の今年の一番大きな大きなできごとなのかもしれませんね。




そして、そうはいっても、
大阪、徳島と、ライヴ、せいいっぱい演奏させていただきました。
JOJO広重さんとは何度も一緒に演奏させていただいていますが、
こんなにたくさんベースを弾かせていただいたのは初めてだったかもしれません。


広重さんの歌は、凄い。
最初、こわいのだけど、本当に音楽に入り込むとまるでこわくない。
まるで怒ってるようで、本当はとっても優しい。
そして、広重さんは、余裕とか、残さなくて、
一生懸命歌われる。ギターを弾かれる。
「一生懸命」なんて言い方すると幼稚な言い方みたいだけど、
でも、あんな一生懸命な歌、ない。
そのうたにあわせて、ベースを弾くのは、とても気持ちよかったです。
私も一生懸命、ついていって、とっても無心になれました。


わたしは、大阪で、どうしてもうたいたい新曲2曲を、
わがまま言って歌わせてもらいました。
大阪に行くと、いつも聴きにきてくれる大切なお客様がいて、
その方はもう、ライヴに来ることはないのだけど、
来てなくても、そこに居なくても、聴いてほしかったのです。
どうしても歌いたかったのです。
そして、歌えて本当に良かったと想います。
広重さんを見に来た方には、突然私が自分のライヴをしているようで
少し違和感があったかもしれませんね、
こういう我がままは、今回で最後にしなくてはと、
想いながら、歌わせていただきました。
聴いてくださった皆様、広重さん、
本当にありがとうございました。



今回の旅は、自分にとって結構きつい精神状態の中での旅で、
旅中、不安定になることも度々ありました。
その中で、早川さんと広重さんと、路得子さんから、
どんなに楽しさや優しさや安心をいただいたかわかりません。
徳島のホールの控え室で、ライヴ前、
四人でゆっくり話したこと、
四人で写真を撮ったりしたあたたかい時間は、
忘れられない想い出になると想います。
本当に一緒に旅をしてくださった三人の優しさに心救われました。



それから、大阪ムジカジャポニカの、スタッフの皆様や、
ベースを貸してくださった須原さん、
物販のCDを持ってきていただいた石橋さん、
打ち上げでお話出来た今回手伝ってくださった皆様。
ムジカのカレー、本当に美味しかったなぁ。。。
打ち上げも、本当に楽しい時間でした。


徳島北島町創世ホールの小西さん、
大きなステージをたくさん動いていただいたスタッフの皆様・・
凄い大きな大きなホール。
あんなホールで歌うことはもうないかもしれません。
天井のどこまでも高いところからライトが照らされていて、
物凄くせつなくなりました。
素敵な場所でした。本当に。



両方ともたくさんのお客様来てくださいました。
終わって、話しかけてくださった方も、居てくださいました。
本当に本当に嬉しかったです。


たくさんの方に感謝してもしきれません。


本当に、本当にありがとうございました。



正直、今回の旅もやっぱり、
ぼーっとしていて、人任せで、
挨拶もろくに出来ていなかったようなきがします。
自分の駄目さ加減にあきれています。
もっとちゃんと、伝えられるようになって、
また、歌いにいけたらいいな、と想っています。


本当にありがとう。

早川さんのサイトより勝手に拝借させていただきました。