ねむの木こども美術館

keroyon03132011-08-13

にいってきました。
静岡にて。


ずっと行きたかった場所。
山の中なので、
遠くて遠くて、
暑くて暑くて、
道のりは大変だったけど
行ってよかった。


静岡県掛川駅からバスで25分
そこには障害を持ったこどもたちの学校、
「ねむの木学園」があって、
その敷地内には、一般の人も訪ねられる場所があります。


ねむの木学園のこどもたちの絵を展示している美術館、
茶店、ガラス屋さんや、毛糸屋さん、
吉行淳之介文学館など。
ほんとうに、とてもよかった。


うろうろ知らない山道を
暑さで朦朧としながらひとり歩いたことも
いい時間だった。


「森の中の喫茶店MARIKO」で飲んだゆずジュースの味。
そこの窓から見えた景色。


はじめてねむの木学園のこどもたちの絵を見たとき、
確か夕陽の絵、その燃える赤が眩しくて眩しくて、
苦しいくらいだった。


そしてある日、「きよみへまりこ」という一人の女の子の絵を
画集にした本を古本屋さんでみつけた。
くりかえしくりかえしかきこまれている木や花の中に
ぽつんと自分を描いてるそのままの絵が
そのころの自分のこころと重なって涙が出た。


文春文庫から出ている、薄紫の背表紙の、
宮城まり子さんの「淳之介さんのこと」という本は
何回も何回もボロボロになるまで読んでも、
全然飽きなくて、自分にとっては、
それを読むと自分のバランスを取り戻すような大切な本。


あの本を見つけたのは、今はもうつぶれてしまった本屋のバイト中だった。


それから、ねむの木学園のこどもたちの絵だけでなく
宮城まり子さんのことが大好きになって、
ほとんどの本を読みました。


ほんとうに、この方の文章は、
飾りがなくて、一生懸命で、
こっちに向かって話してきて、
人間らしくって、
あったかい。
すごい人だと思う。


いつも、この方を想うたびに、
「やさしさ」というものを考えさせられる。
自分にたりないものだから、
ふれたいと思う。
身につけたいと思う。
持っていたいとこころから思う。


やっとやっと、行けた。


自分がなにを感じたのかわからない。
暑かったからかわりと心が淡々としていて、
激しく感動することはなかった。
だけど帰ってから思い出して
大事ななにかをうけとったことにきづいた。


帰りにガラス屋さんで、
宮城まり子さんが作ったガラスのペンダントヘッドを
買い求めることができました。
ちょっと高かったけど。。
ずっと大切にします。


              ***



 『やさしい心で待っていると
  ポッポ シュッシュッ
  って汽車がとおるんだよ
  ほら、煙を見てごらん、
  きれいなやさしい虹色でしょ。
  やさしい心でいると、
  すべて虹色に見えるんだ。』
                   宮城まり子さん